昔、動物園の動物を見て虐待かもって思ったけど、
人間の箱庭も動物園と変わらないかもしれないと思った。
つまり生命は”状況”にすべてを左右されない、したたかさをもともと備えていて、自己を定める意志の力が実際にある。
例えば、会社のすべてを掌握する最上階の、秘書に囲まれた社長と、飼育員に世話をされる動物園のライオンは一体何が違うのか。
百獣の王様は動物園でも周囲を従えて堂々と生きているのだ、人間はコロナ渦でも悠然と生きればいい。
私は一人きりのアパートの中で、だが、自己を見定める人間として、一つの誉れある生命体として生きている。
この先、出番を待っているときに備えて自分を磨くのだ。
やっぱり動物園のライオンも檻を捨て、飛び出して、百獣を従えることを諦めていない。
僕はもっと世界を見てみたい。それがこのアパートに閉じ込められて僕の捨てきれない”自分”というやつだ。