コインランドリー

12時を過ぎたころ、アパートからコンビニまでの道を歩いていると、やけに標識やガードレール、横断歩道や歯医者の看板が目に入ってきた。
八王子は腐っても東京なのか、どこかの明かりがそれらを照らしていた。
ふと空を見ると、西の低い空に月明かりがしていて、暗い空に雲が平らに横たわっている。
信号機以外のすべての色がくすんでみえて、これがグレーって色なんだって意外な発見をして歩いた。
今年度は引っ越しするかもしれないとか思うと、街も違って見えるらしい。
コンビニで野菜ジュースを買って小銭を作ったら、またアパートに戻って残りの洗濯物をもってコインランドリーに向かった。

土曜日の今日は二週間分の洗濯物がたまっていて、それでも何もやる気がせず、夕方になり自分でもあきれながら5回ぐらい洗濯機にかけた。
二回に分けて今ランドリーの一番大きい乾燥機に持ち込んで8分100円、64分間乾燥機にかけた。
二回目にコインランドリーに行ったとき、19歳ぐらいだろうか、男の子が乾燥機に服を入れ、女の子が大きい洗濯かごに乗り込んでクスクス笑いながらはしゃいでいる。僕が入ると、少し二人の声のトーンが落ちたけれど、上機嫌のまま男の子が洗濯機に入れ終わると去っていった。

最近仕事では頼りにされることが増えて、自分しか問題点を理解していないような局面が増えた。普通なら黙っているんだろうけれど後で誰かが困ると思うと放っておけずに働いてしまう。それで事情を知らない人には僕が仕事を増やしているようにも見えるらしく、反感を買ってしまった。みんなできるだけ仕事を楽にしておきたいらしい。おしゃれな小説でよくある情景描写で登場人物の心理状況を描写するのは、あれは、テクニックじゃないんだって気が付いた。

今日はこの文章を書き終えたらコインランドリーに洗濯物を取りに行って、丁寧にたたみ終えたら仕事をして寝て仕事をしてスーパーに行って寝たら月曜日だ。もしかしたら日曜日には映画館に行ける時間があるかもしれない。
明日はありったけの糖分を買って来週の仕事がはかどるようにしてしまおう。
そして来週は忘れずに洗濯機を回そう。

そういえば2か月前に台湾へ遊びで行ったけれど、台湾のコインランドリーではコインを飲まれてしまった。台湾の街もくすんでいた。

あと二十年ぐらいして時間があったら小説を書きたい。

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