本音を言えば

僕は岡山で育ったのだけど、いつかのドラマで「東京の空はいつも曇っている」ってセリフを聞いた。
僕は臭いセリフだなと思ったけど、18で上京して空を見たとき、たしかに空は毎日曇っていた、それもピンク色に。

昔、星が好きで地元の図書館で星の写真をたくさん見た。それこそある本を全部だ。本みたいな星空は見えないと思っていた。
初めての東京から帰省した夏に実家の庭から見上げた夜空には天の川が綺麗に流れていた。
僕は地元が嫌いだったけれど、星を好きにさせてくれたのも透き通る天高い空で育ててくれたのも地元だった。
東日本大震災のとき、計画停電の東京は星は綺麗だった。たくさん雨が降った次の日は東京でも空は青い。

そういえば、サンテックは新月の砂漠では星で影ができると言った。
太平洋をヨットで渡る冒険家は、新月の波のない凪の洋上では、海に星が浮かんで1面星だらけになるらしい。

僕は東京の夜空にそんな海外の海洋の美しさを思い浮かべることはできない。せいぜい嫌いだった地元の、実家の庭先の、夜空しか見えない。

小学生の頃、天体望遠鏡を買ってもらった。18になって両親は東京に持っていくかと聞いたけど、あれは地元にないと意味がないんだ。
ピンクの空で何を見るんだ。

サスティナブルとか、脱カーボンとか、SDGsとか、理屈はよくわからない。国が大きな声で節電をって呼びかけても何もピンとこない。

それよりも僕はピンク色の空を青く、灰色の夜空に天の川をかけてほしい。
今日見せてくれるなら給料の1%払ってもいい。

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