ルックバックを見た。

今日は京都でひとしきり遊んで新幹線で名古屋に帰っている、その車中だ。
東海道新幹線では、車内販売がなくなったせいかホームにコーヒーの自動販売機が設置されてお金を300円払えばアイスコーヒーのジャンボが飲めるようになった。紙コップのコーヒー、蓋も自動で被せてくれる。終電の名古屋行きを乗るためにホームに15分前について、コーヒーを買うと周りの自由席の皆さんも買い始めてその度にUAの「会いに行こう」が流れる。この曲を聴くと少し前向きになる、新幹線は会いに行くための列車だ。

今日はルックバックをみた。3回めだ。

初めて見た時も、2回目も3回目も、プロローグの主人公の背中が映るシーンで泣いてしまった。
全てを犠牲にして何かを打ち込んだ経験のある人間にとっては「ルックバック」の一言ですんでしまうのではないか。
多分、僕や、彼らは凡人で褒められなければやる気を失うし、褒められなくても誰かがニコッと笑ってさえくれれば頑張れてしまえる人間だ。
だけど、それだけの理由で何かを継続するのは難しい。継続とか続けるとかなんだか偉そうなことを言っているけれど、その実はなんとカッコ悪いことか、やめられなかったのだ。

60分ほどの動画だと思う、僕は藤本タツキさんがただひたすら祈っているように見えた。自分の人生が意味のあることだと、誰かに笑ってもらえるものだと、無駄じゃないと、言い聞かせながら祈っている。ただひたすら祈っている60分、自分は何かができる人間だと信じ続ける60分。

今年は出張も多いし、友達も増えて、たくさん外に出る。
今日は美術館に行ったけど、テーマの人物は格好つけていいところばかり見せている文章を並べられていた。
僕はなんてカッコ悪いんだろうと思って、今、多分あの人もやめられなかったのではないのかとか、邪推している。

僕も何かを残せるし、あなたもきっと意味のある人生を送れる。

新幹線のホームで買ったコーヒーはジャンボというには少し小さくて文章を書き終わる前に飲み切ってしまった。
今日はぐっすり寝て、明日は日曜日だけど仕事をしよう。
トラブル続きの4月スタートだったけど、遅れてもいいきちんとした仕事をする。

きっと誰かが見てくれている。

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